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読んで良かった本、栄養になった本の記録です。

『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』/岡田尊司

冒頭にフランクルの話が少し出てきて、世の中繋がっているというか必要なものは必要な時に与えられるというか・・・(この本を読んだのはフランクルの本の後)不思議だなあとちょっと思った。それはまあ、置いといて。 

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

 

 「子ども時代を引きずる人々」つまり自分含む世の大人の大半は愛着障害なのではないかと、内省と一読を経てとても思います。引きずるとか障害というと印象があまりよく思われないかもしれませんが、「子どもから大人になる過程で子どもを切り離した訳ではないこと」「大人の中に子どもの自分もずっといたこと」「人間関係や生き方にまつわる諸問題の癖やパターンは子ども時代に起因すること」を知ると、この本を今の世に生きる沢山の大人たちが読んだら色々良い方向に変わるんじゃないかなと思います。私がそれを知れたのはこの本だけではないけど、この本はその辺りの内省の口火を切るには十分意味と役割がある本だと思ったし、自分含めて生き辛さや人間関係の悩みを抱える人は多いんじゃないかと思って。私は、この本を読んだことで”自分がなんでこうなのか”を理解することができて、本当によかったと思っています。

 

構成の割合で言うと、愛着障害がどんなものなのか、どういうことが原因として考えられるのか、実存した人物(偉人・著名人が多く出てくる)の実例などがほとんどで、解決策にあたる部分は少なく見えるかもしれません。でも、読み進めるうちに「こういうものなのか」と知ったり自分と照らし合わせて気づくことが解決の一助になっているというか、ただ知るだけ・気づくだけでもいい(解消に向けた効果がある)という認知療法的な面を実証している気もして、良い本だなと思いました。愛着障害のタイプを診断するテストも巻末についていて、自分を知る手助けになりました。

 

この本に出会ったのは、自分に向き合っている時でもあり、ツインレイ理論を知ったあとでもありました。スピリチュアルなテーマとしてあの話は存在してるんじゃなくて、マルチバース宇宙論とか行動心理学とか愛着障害とか科学的/臨床的に実証されうるテーマでできているというか色々繋がっているというか、「半信半疑っぽいワンダーなお話」ではないんだなとこの本を読んでふと思った(気づいた?)記憶があります。(この本だけでマルチバース云々に行き着いた訳ではないのでそこはまた別!)女性で特にあの理論にハマっている人は、一度読んでみるといいかもしれない。ツインレイはドリーミーで得体の知れない不思議なお話じゃなくて、回避型依存(愛着)と不安定型依存(愛着)のペアだから起こる話なんだと、じゃあ自分や相手はどういう原因と傾向があって、だからツインレイの段階で出てくるこれやあれが必要(必然)なんだ、ということに気付くきっかけになるかもしれない。解釈は人それぞれなのでこれが正答でないかもだけど、もしツインレイ関連で苦しんでいる人がいたら、一度読んでみてはどうかと思いました。p278〜280「依存と自立のジレンマ」=サイレント期間と最終的に相手を受け入れることについて(の必要性)、のことじゃない?と個人的には思ったり。愛着障害インナーチャイルドの問題)と言う名のカルマを落とすための通過儀礼。お互いにとって。※個人的にはこの後インナーチャイルド関連の本を3〜4冊読んでさらに理解が進むきっかけになりました

愛着障害を抱えた人が良くなっていく過程において、その傷が深いほど、自分を支えてくれる人に甘えようとする一方で、(中略)わざと無視したり、怒りを示したりすることもある。” - p278

 

”この時期が、回復の過程において、もっとも重要な局面だと言える。このとき、支える側が腹を立てて、拒否的になったり、否定的な反応を返したりしたのでは、元の木阿弥になってしまう。” - p279

 

”その落とし穴に陥るか、真の回復に向かうかの境目は、この段階を乗り越えられるかどうかにかかっている。相手の反抗や離反も肯定的にとらえ、その根底にある気持ちを前向きに受け止める。そして、こちらの思い通りにならないことは、自立の証だと、むしろ祝福することなのである。” - p280

 

 

何にしても、人間関係で悩む人=世の中の大半の人は一度読む価値がある一冊だと思いました。愛着障害を自覚しようとしていまいと、子どもじゃなかった大人なんて一人もいないんだから。そして完璧な親子関係なんてない、完璧な親、完璧な自分も相手も他人もいないんだと、次第に理解できるようになる。親は親で、自分は自分で、あの人はあの人で、あの時それぞれに精一杯だったんだと。最終的にはそこに行き着けたことが、この本(とあとに続く本たちも含めて)と出会ってよかったと思う理由です。